雨の裏庭

掌編未満のSSや思いついたシーンなどを気ままに書き散らしていくためのブログです。

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 すご~く長々と、かつ細々と、いかにプロット通りに書けなかったかを語っております。あとがきというより反省会……と見せかけたただの回顧で、完結したそのままのテンションで書いているのでたぶん相当うるさいです。それでもよろしければ、お付き合いいただけると幸いです。

 第二部冒頭まではだいたいプロット通りでした。問題は2-2-1で魔女が出てきたところですね。この段階では二部までで終わるんじゃないかな、と思っていたのに大幅に伸びました……。
 本当は魔女が城に襲撃をかけるまでフィラは平穏な生活を営んでいるはずだったのです。たまたまピアノを弾きに来ていて巻き込まれ、そのまま決戦に突入するはずだったのでここから2-5-1辺りまでは全部予定外。プロポーズも戦いの中でフィラがリラの力を持っていることが発覚したあと、現状でいう第三部冒頭でになるはずだったんだけど団長が勢いで……(笑)

 第二部がそんな感じだったので第三部ももちろん予定通りに行くはずなどありませんでした(懺悔口調)。まずジュリアンの両親が登場する予定がそもそもなかったので、フィラの行く先も最初から光王庁のどこかの部屋(てきとう)だったところが変更点です。これは考えているうちに婚約者扱いだったらさすがに両親に紹介するよな、と思ったのとジュリアンが軟禁しなければならないなら出来るだけ居心地の良い場所を提供したいとか言い出したからですね。プロットを考えたときの私はそんな親切なこと考えなかった……(ひどい)
 というわけで実家編が入り、その間ジュリアンをユリンにまで封じ込めた政敵がじっとしているわけないと気付いて第三話辺りが入り、あとは勢いで……えらい情熱的なことになった……。あそこまでああなるとは全然思ってませんでした。勢いって怖いデスネ……
 光王庁で予定通りだったのはフィラがジュリアンの目的に気付くことだけでしたね! 気付く過程もあんまり具体的に決めてなかったけどね!(なんか文献調べるとかそんなざっくりした感じだったけどフィラの能力と権限で文献だけからそれ調べるの無理でしたよねー……)
 その後はジュリアンが暗殺されかかったり処刑されかかったりしてうやむやのうちに旅立つ予定だったんだけど色々変更が加わった結果ご覧の通りです。いろいろ投げっぱなしで旅立つことにならなくて良かったよね! 本当にね! つく予定がなかったジュリアンの両親との決着もユリンに戻ってエルマー夫妻にご挨拶も書けて良かった! 本当に良かった! ユリンがああいうところだっていう設定はこの辺で生えたけどそれもまあ……まあ……(遠い目) エルマーさんが元聖騎士だという設定は更新の前々日くらいに思いついたことをここに激白しておきます。
 いや思いついたらすごい美味しい気がしてさ……。ランベール父さんとは絶対立場も性格も合わないだろうし、憧れの歌姫をかっさらっていった男の息子が今度は娘のように可愛がっていたフィラをってなんか(私が)萌えるなって……。

 第四部で一番大きく変わったのは目的地ですね! 当初のプロットでは目的地はランがいた研究塔になるはずでした。そこへ行く理由が思いつかなかったのとビジュアル的にどう考えてもグロス・ディアの方がときめくじゃん!?(私が!)という理由で第三部の途中辺りで急遽変更。その後の旅はドライブインシアターと列車幽霊のイメージしか決めてなかった。違法居住区とレルファールは影も形もありませんでした。イルキス出そうと思ったの確か映画見た後でしたよね……「旅の終わりの空へ」を読み返していて思いついたんだった気がする……。
 そしてレルファールに辿り着いた段階ではちゃんとロサンゼルス・トランスポーテーション通って行くつもりだったのに結局名前だけになってしまったな……。枚数がこれ以上伸びてもアレだと思ったこともあり、イルキスの樹を出しちゃったこともあり、大幅にショートカットしました。グロス・ディアのかなり内陸の方まで一気に移動。リョクの登場予定も全くなかったけど車で移動するわけにはいかんよねって気付いたので荷物持ちとして登場。
 グロス・ディアは元々出す予定がなかったので移動してから設定全部考えてましたね! 中学校の頃に書いた地図とか引っ張り出してきて楽しかった! そして聖都の歯車が直前にやってた乙女ゲーの影響だったりとか行き当たりばったりです。これはひどい……
 で、フィラがカルマに攫われるところは予定通りだったけどリョクがアレだって設定は妖精の森で天魔に襲われるまで考えてなかったし、そう言えばジュリアンの竜化症も身体の方じゃなくて記憶や感情が失われていく方向で考えてたんじゃなかったっけ。何一つ予定通りに進んでいない……どういうことなの……。
 で、最終回でやらかしたのはリラの正体ですね。太陽の神のつもりだったんだけどそういえばサーズウィアの範囲からして太陽には届いてないじゃん!? 誰がどんなに思い入れ持ってても神にならないじゃん!? 月ならギリギリオッケー? って直前で……気付いて……タイトルと上手く合致して良かったですね……本当にね……

 あ、あとキャラ語りもしたい! する!

 フィラは素直な良い子、控えめで優しいけど芯は強い、というヒロインらしいイメージでスタートしたのですが、いきなりヒーローに喧嘩を売りまして……。守られ系ヒロインのはずが結構自分で動いてくれて(カルマと戦うときとかクロウと戦うときとか)、書き上がってみて守られ系……だったか? とちょっと疑問に思っています。基本スペックがフィアと一緒ということで、潜在能力は聖騎士団に入れるくらいあるっていうのもありますね……。ジュリアンと会話しているときが一番生き生きしてて書きやすかった。

 ジュリアンは気付いたらヘタレ理系オタクになっていてあっれ~? と思ったのですが、それはさておき最後まで生存してくれて良かった……。最初のプロットに沿って書いてたらたぶん助けられなかったと思います。死亡フラグがへし折れない……。とにかく何でも基礎と応用と理論と理屈を一通り考える人なので、ジュリアン視点書くの大変だったです……。ランティスさんの苦労が偲ばれます……。そういえば第二部突入した直後はまだ半竜だって設定すらなかったなあ……

 ティナは小動物連れた女の子(ナウシカとか……)に憧れた小学生の私の手によって生み出されたキャラです。

 リサとカイ。本編で何も決着しないまま、リサに殺してくれって言われたカイが鬱々としたまま終わるはずだったのがなぜか勝手に吹っ切れてくれました。この二人のイメージは最後の方の一場面ですね。戦車っぽい壊れた何かの上に背中合わせに座って空を見上げている感じ。

 ランティスさん。体育会系のつもりだったけど、ジュリアンの大学時代の親友と考えたらどう考えても学者肌でした。貴重なツッコミ役、ありがとうございます。

 ダスト姐さん。このお話では決着がつかなかったけど、やっぱり当初予定していたよりは吹っ切れた様子で旅立っていきました。プロットで考えてたときより実際に動かしてみたときの方がみんな強い……。

 レイヴン・クロウは裏切ることは確定してたんですが、|再生されし子等《リジェネレイテッド・チルドレン》の設定は割と直前で考えました(去年の11月12日に「再生されし子等って単語と設定が私の中で爆誕したので何かに使いたい……」とか呟いている)。それまではフォルシウス家に雇われたただの暗殺者のはずだったんです……。

 ヤンは旅の途中でフィラたちと再会する予定だったのをころっと忘れていてですね……思い出したときにはもう会えるタイミングがなかったので、あんな形になって、ついでにルッカも再登場出来たのでそれはそれで良かったかな~と。

 第二部以降に登場した人たちはだいたい予定通り……というか予定がなかったのでもう自由に動いてもらっていたという感じですね! どれくらい予定もへったくれもなかったかは前述の通りです……。

 というわけで、ようやく完結いたしました。連載期間は2005年から2015年の十年間です。ちなみにプロット通り進んでいたところ(第二部第一章まで)の連載期間が2005年から2012年の初め辺りまで、プロットガン無視し始めてから(第二部第二章以降全部)の連載期間が2012年の2月から2015年までです。もう私プロット立てない方が良いんじゃないの!?

 ひどい結論しか出ないことはわかっていたのですが以上で反省会を終わります……。こんなひどいあとがき見たことない!! しかしライフワークで一生付き合うかなあ、と思っていたテンポでしか書けなかったお話がここ数年でとんとんと進み、完結出来たことは本当に嬉しいです。全然プロット通りに進まなくて、主人公たちも特に後半は自分たちの感情と考えで動いていて、お話がどう転がっていくのか自分でも全然予想がつかなくて、まさしく最初の読者は自分という感じでしたが、だからこそ書いていて楽しかったのかな~と。
 こんな行き当たりばったりなので読み返したら矛盾点もいろいろ見つかりそうですが、それも少しずつ直していけたらなあと思います。もし見つけたらぜひぜひ教えてくださいね!

 今後の予定としては時折思いついたら番外編を書きつつ、別世界の長編をいくつか書いてみたいなあと思っています。
 遅くまで残業して帰ろうとしたら、図書館の外には雨が降っていた。壮麗な彫刻に外壁を飾られたこの大陸一の図書館は、王宮に勝るとも劣らない威容を誇っている。天を突くほど高く優美な尖塔も、巨大な石造りのアーチを支えるための支持構造も、全てがこの国の技術の粋を尽くして作られた知識のための聖域だ。
 仕事を終えたシンシアは、彫像の間に隠れるようにして開く小さな扉から顔を覗かせて、思わずため息をついた。右手に抱えた本が、ずっしりと重くなったような気がする。
「傘を忘れたのか」
 振り向いたシンシアは、見知った顔に目を瞬かせた。淡い金髪にサファイアブルーの瞳の、貴族然とした美貌の青年だ。王立魔術学校附属図書館勤務のシンシアとは一応同僚、と言うことになるのだろうか。けれどその仕事の内容は、大きくかけ離れていた。シンシアは地上勤務で、青年――ライゼルの勤務地は地下だ。
 地上にそびえ立つ図書館の姿は、文字通り氷山の一角に過ぎない。王立魔術学校が開設されてから建てられた図書館の地下には、『先人たち』が残した広大な遺構が広がっていた。世界図書館と呼ばれるそこには、世界中の知識を魔術的な方法で蓄積した『魔道書』が無数に眠っている。遺構を守る『守護者』たちを征伐して失われた知識を地上にもたらすのが、ライゼルたちの仕事だった。
「はい、今日は本を借りて帰るつもりだったんですけど……」
 このまま出て行けば、本を濡らしてしまう。自分が濡れるのは構わないけれど、それだけは避けたかった。
「一度、置いてこなくちゃ……」
 半分独り言のように呟いて顔を上げたシンシアは、難しい表情で黙り込んでいるライゼルに気付いてはっとした。
「ご、ごめんなさい。お引き留めして」
「引き留められた記憶はないが」
 反射的に謝ってしまった後で、自分でもそうだと気がついた。確かに呼び止めたのはライゼルの方だ。
「ええと……」
 どう返したら良いのかわからなくて、シンシアは口ごもってしまう。
 いつもそうだ。ライゼルと顔を合わせる機会はそう多くないけれど、顔を合わせるたびに自分は何か失敗をしている気がする。
「寮までだろう。送っていく」
 ライゼルは気怠そうに胸ポケットから小さな本を取り出して、おもむろに広げた。
「えっ、でも」
 止める間もなく、彼は古代語の呪文を低く唱えてしまう。本から浮かび上がった魔法陣が輝くと、二人の周囲に雨よけの結界が展開される。
「ついでだ。気にするな」
 無表情で促されておずおずと隣に並びながら、シンシアはライゼルの横顔を見上げた。
「ライゼル様、方向が逆なのでは……」
 第三王子である彼は、今日は公式な行事があるとかで王宮まで戻る予定のはずだ。そう、さっき同僚が噂していた。
「大した距離じゃない」
 図書館よりも奥まった所にある職員寮までは、五分くらい歩かなくてはならない。大した距離ではないと言われればそうなのだが、あまり話したこともない男性に送ってもらうには少し抵抗があった。
 いや、違う。相手がライゼルだからだ。他の同僚なら方向も同じだし、と気軽に提案に乗ってしまえるはずなのに、ライゼル相手だと緊張してしまう。相手に下心がないとわかっているのに――いや、だからこそ、自分の気持ちがとても醜く思えて、いたたまれない気持ちになる。
 武術に長けたもの特有の鋭い気配を纏いながら姿勢良く歩いて行くライゼルと並ぶには、自分は余りにも誇るものを持っていない。
 会話もなく気まずい雰囲気のまま、寮の玄関に着いてしまった。
「あ、あの」
「もしかして迷惑だったのか」
 お礼を言おうとしたところで先手を打たれて、シンシアは未だかつてないほどに狼狽した。
「ちっ、違います! 全然! そうじゃなくて!」
 慌てて両手を振ろうとしたら、手が滑って本を落としてしまった。
「あっ」
 大事な図書館の本が濡れてしまう。そう思って慌てて伸ばした手は、ライゼルより一瞬遅かった。空中で本を捕まえたライゼルの手に、遅れて伸ばしたシンシアの手が重なる。
「す、すすすすすすみません!」
 真っ赤になって後退るシンシアに、ライゼルは困ったように本を差し出した。
「……いや。俺の方こそ、妙なことを言って悪かった」
「違うんです……」
 目を合わせられなくて両手で無駄に丁重に本を受け取りながら、シンシアはますます真っ赤になる。
「本当に、助かりました。私の方こそ、変に緊張してしまって、不快な思いを……させたのではないかと……でも、助かったのは本当で、むしろ嬉しかったというか……」
 どんどん何を言っているのかわからなくなってきて、消え入るような声になってしまう。ほとんど泣き出しそうになりながら、シンシアはライゼルが小さく息を吐くのを聞いた。
 やはり、呆れられてしまったのだろうか。心臓のあたりがぎゅっと苦しくなったけれど、だからこそせめてお礼くらいは目を見て言わなくては。
 なけなしの勇気を振り絞って顔を上げたシンシアは、そのままぽかんと口を開けてしまった。
 ライゼルはどこかほっとしたように微笑していた。いつも厳しい表情か無表情だから、こんなに柔らかい雰囲気の彼を見るのは初めてだった。
「あの……ありがとうございます」
 呆然と見とれたまま、シンシアは呟く。
「いや……こちらこそ」
 表情を消したライゼルが明らかにかみ合わないことを言うので、シンシアは思わず笑ってしまった。自分でもおかしなことを言ってしまった自覚があるのか、ライゼルは微かに頬を染めて視線を逸らす。
「じゃあ、また明日」
「はい。ありがとうございました。おやすみなさい」
 微かに頷いて去って行くライゼルを見送りながら、次はもうちょっと緊張せずに話せるかも知れないと思って、シンシアは静かに微笑んだ。

 むかしむかしあるところに、ひとりの年若い王様がおりました。やさしく海が凪いだ穏やかな春のある日、王様は浜辺でひとりのうつくしくたおやかな娘と出会いました。
 娘は浜辺に咲くすみれの花を手折っては、小脇に抱えたかごに集めていました。輝く黄金の髪と雪花石膏のようになめらかな白い肌、そして何よりも楽しそうに歌う、彼女のうつくしく自由な歌声に、王様は夢中になりました。
「うつくしい乙女よ、あなたほどうつくしいひとは見たことがない。私と共に城に来てくれないか。絹も黄金も宝石も、あなたが望むすべてを与えよう」
「いいえ、寂しい王様」
 娘は彼女の前にひざまずいた王様を見下ろして微笑みました。
「どんなうつくしい衣装にも宝石にも興味はありません。この花ひとつあれば、私は望むうつくしさを手に入れられるのですから」
「私の妻になれば、どんな貴族も騎士たちも、あなたの前にひざまずくだろう」
「いいえ、寂しい王様。私はそんなものをほしいとは思いません。だれにかしずかれたとしても、この広い空の下で歌うよりしあわせな気持ちにはなれないでしょう」
「どうしたらあなたは私の気持ちを受け入れてくれるのか」
「あなたが私に、その愛と魂のすべてを捧げてくれるなら」
「私の心はもう既にあなたのものだ」
 そして王様はむりやり娘の手を取って、お城へ連れ帰りました。

 王様のお城は海の上にありました。遠い遠い昔に、王様のご先祖様が人魚の都を攻め落とし、その上に作ったお城です。
 王様は連れ帰った娘を着飾らせ、盛大な結婚式を挙げて妻に迎えました。
 けれどふしぎなことに、黄金と宝石で着飾った娘は、浜辺で出会ったときの半分もうつくしく見えなかったのです。
 どうしてあんなみすぼらしい娘を、と、皆がうわさしました。人々のつめたい視線に、娘はあのうつくしい声で歌うことも忘れてしまいました。がっかりした王様は、結婚して半月もたたないうちに、娘の顔を見に行くこともなくなってしまいました。

 ひとりぼっちにされた娘は、毎晩塔の上で歌うようになりました。その歌声は、もう以前のような浜辺に響くうつくしく楽しげな歌声ではありません。ふるさとから引き離されたかなしみを歌う、聞く者の胸が張り裂けそうなくらいせつない歌声でした。娘のかなしい歌声にこたえるように、海と空は荒れ狂いました。
 嵐の中に響く歌声と、その中に立って歌う娘のうつくしさに、人々はおそれを抱きました。そしていつの間にか、王様が迎えた妃は魔女なのだと、だれもがひそかにささやきあうようになったのです。
 その間も、いくどもいくども嵐は城を襲いました。

 困ったのはお城に仕える船乗りたちです。皆は口々に、魔女を殺して海に平和を取り戻してくれるように王様に頼みました。
 娘の歌を気味悪く思い始めていた王様は、その願いを受け入れてしまいました。

 お城の広場で、あしもとに薪《たきぎ》が積み上げられていくのを待ちながら、木柱にくくりつけられた娘は歌いました。彼女が失ってしまった、どこまでも広い海と空の歌を。それはもはやかなしみに染まった歌ではなく、自由な空を、広々と続く海への、いとしくやさしい愛の歌でした。
 けれどその歌が、王様や娘を魔女だと思っている人々の心に届くことはありません。
 このままでは海と空がまた荒れ狂ってしまう。
 そう思った人々は、急いで薪に火をつけました。炎に包まれながら、娘は歌い続けました。その声を聞いた海と空はかなしみ、怒りました。娘と王様が交わした約束を、彼らは聞いていたからです。
 海と空はお城に襲いかかり、そこに住むひとも建物も、すべてを波間に沈めてしまいました。
 そうしてその地は再び人魚のものになり、火あぶりにされた娘の魂は、彼女を生んだ海のもとへと還っていったのです。
01:小説を書く際、資料などは使いますか? 何を使いますか?

 使う、使うのですが、すごく無駄な使い方をしている気がして仕方がない(笑)。なんせ「火の起原の神話」を読んで出てきたのが「人類に炎を取り戻してくれたペンギンのお話」ですからね……。
 あとは建物の描写が好きなので建築関係の本は結構使うかな。薬草や物理や鉱物の本も、話の本筋と関係ない描写でときめきを盛り込もうとすると必要になることが多いです……。なぜたった三行の描写のために本を一冊読んでいるんだろうと疑問に思うこともしばしば。良いのです、読むのも趣味だからね……本棚カオスになるけどね……


02:プロットやフローなどは用意しますか? 用意するとしたら、どのように立てていますか?

 勢いでがーっと書きたいシーンや台詞や描写を書き連ねたものをプロットと呼ぶならば~。その隙間が少なければ少ないほど書くのは楽になりますね。量と密度はどのくらい思いついたかによるのでまちまちです。書くスピードも思いついた端から書いていくスタイルなのでまちまちです。一週間で書くことも数年かかることもあります……書いてる途中で書き直すことも多いです。それはプロットと呼ぶのか……ただの下書きじゃないのか……(悩)
 そ、そんな感じで書いたプロットの隙間を埋めてちゃんと形になったような気がしたらすぐに更新、という感じで書いています。いろいろと行き当たりばったりだし宵越しのストックも持たないし……うっ、頭が……


03:小説を、どこかに投稿したことはありますか?

 小説大賞には投稿したことないですね~。評価シートもらえるところもあるらしいので、一回くらい投稿して客観的な評価をもらってみたいな~という欲望はあるのですが、何にせよ真昼の月書き終わってからです……。
 投稿サイトだと現在は小説家になろうさんを利用しています。あくまで中心はサイトですが、なろうさんは読み手にとってはいろいろと便利なので、読み方の選択肢を増やして読みやすい方で読んでいただけたらな~と思いまして。


04:あなたの小説(文章)が一番影響を受けている作家さんを一人挙げるとしたら、どなただと思いますか?

 敬称略です。作家ならミヒャエル・エンデとG.A.ベッケルと秋山瑞人。恋愛萌えでいうと谷瑞恵。それと、宮崎駿アニメには多大なる影響を受けていますね……。
 ってマテ、一人になってない(笑)。この中で一番影響が大きいのはやっぱり宮崎駿かな……?


05:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、一番好きな情景描写の言い回しを一つ、見せてください。
(ネタバレしそうな部分は伏字などで構いません)


「真昼の月の物語」から。すごいネタバレっぷりなので反転でお願いします。

 ずっと失われていた、多くの人間が求め続けてきた、かつてこの世界のどこででも見られたはずの、しかし今では決して見ることは叶わないはずの青い空。それがこんなにも美しいものだと、その時までジュリアンは知らなかった。降り注ぐ光の温度も、その光に照らされた世界の鮮やかな色も、何もかも。
 何もかも知らないはずのものだったのに、それなのに胸の内側から灼き尽くされるほどに懐かしかった。知らないはずなのに知っていた。その空が、地平線の彼方まで続く風景を。この大地を覆う蒼穹を。きっと、生まれる前から。
 見とれている間に雲は再びその勢力を増し、青空を覆い隠していく。消えていく青の中に、ふと白い影が見えた。輝くような青い空の中で、ただ一人静かに佇んでいるような不思議な存在感。
 目を、奪われた。
 これ以上美しいものは、きっとこの世界には存在しない。
 奇妙な確信に突き動かされて、思わず手を伸ばす。
 あれは、月だ。この地球がこんなふうになってしまっても、変わらず側で回り続けていた。誰も観測することは出来なくても、潮の満ち引きでその存在を知らせていた。
 手が届かないと知っていた。それでもすぐ側にあるような気がして――
 けれどそんな思いを押し潰すように、灰色の雲は再び白い月も青空も隠していってしまう。
 感情抑制装置を埋め込まれてから初めて、何かを欲しいと思った。
 触れられなくても構わない。あの真昼の月を、もう一度この目で見ることが出来るなら。
 死んでも良いなと、そう思った。


 メイン超長編のタイトル回ですから! そりゃ思い入れもあろうというもの!


06:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、一番好きな心理描写の言い回しを一つ、見せてください。
(ネタバレしそうな部分は伏字などで構いません)

 これも真昼の月からですごいネタバレっぷりです……

 ――失いたくない。
 フィラの思いが胸に流れ込む。失いたくないのはジュリアンも一緒だ。だから手を放そうとした。でも、本当は。同じ思いを抱えているなら――
「私はあなたの、未来が欲しい」
 フィラの瞳が、潤んで揺れる。
 未来。
 ――そうだ。
 未来が欲しくないなんて嘘だった。今がずっと続いて欲しいなんて、それこそ未来を願うことだったのに――
「好き……」
 涙と共にこぼれ落ちた言葉が、いつもは柔らかく響く彼女の声が、切れ切れになった思考の全てを断ち切る刃のようだった。頭の中で何かが焼き切れるのを感じた。乱暴に腕を引く。体勢を入れ替えてベッドに押さえつける。噛みつくようにキスをすると、フィラも喧嘩の続きみたいな調子で応えてきた。むさぼるようなキスの合間に、彼女の服に手をかける。優しくなんてできなかった。それでも求めずにはいられなかった。
 傷つけ合うように、奪い合うように、ただお互いを求めた。――それでも二人で、行き着くところまで行ってしまいたかった。


 メイン超長編(恋愛もの)の恋愛的クライマックスですからね! そりゃ思い入れもry


07:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、好きな台詞を三つ、見せてください。

「この戦いが終わったら、俺と結婚して欲しい」(ジュリアン@真昼の月の物語 2-3-6)
「ちょっと聞いて頂戴よォォォ!」(アレス@Water talks - Homesick 1-1-1)
「馬鹿だってわかってても止められない……止められるはずないのに」(フィラ@真昼の月の物語 3-5-1)

 最初のはおい死亡フラグかよ、というアレで(でも前後のやりとりが酷すぎてフラグ立たなかった)、二番目はコレのせいでいろいろと予定が変わっちゃったよね、というので、最後のはやっぱりあのシーンですから! という理由です。
 台詞は単体でというより前後の流れで好きなのが多いですね~。アレスの第一声は単発で好きですが(笑)。そして長台詞がない! 説明じゃなくて心情を語る長台詞がない……! いやなんかつなげれば少しはあるはずなんですが、そういうのでも途中に描写挟みたくなるので長くならないんですよね~……


08:あなたがこれから小説に書こうとしている台詞で、「今後の見所!」になりそうな意味深台詞を三つ、ここでコソッと教えてはいただけませんか?

「あなたには、『まとも』でいていただかなくては困ります」
「必ず帰る。お前の元に」
「良い風だ。明日は最高の一日になるぞ」

 予定はいつだって未定ですが……! 真昼の月ばっかりなのは仕様です……


09:小説を書く時に、音楽は聞きますか? 聞くとしたら、どんな音楽を聞きますか?

 外国語の歌、ゲームやアニメや映画のサントラを流しっぱなしにしています。最近はAnunaが多いですが、菅野よう子もすごい聞きますね。好きな曲はときめきと妄想の源泉です! 書くときは聞きませんが、日本語の曲もプロット立てるときやネタ出しのときには大変お世話になっております。


10:日々の生活で、「あのキャラならここはこうするだろう」「あのキャラならこれを選ぶだろう」といった妄想が展開されることはありますか?

 むしろ日常そっちのけで話の続きを考えていることが(あかん)。うん、でもこれはあるあるですね。なんとなくフィラの影響を受けて若干自分の人柄も丸くなったような気がしないでもないです。若干。あと団長のせいでいらんオタク知識が(ひどい)。


11:これから小説を書き始めようとしている方に、何かアドバイスがあればどうぞ。

 書きたいものを書きたいように書いているだけの私にアドバイスなんて! そもそも私はいつ書き始めたのかもちゃんと覚えてない有様なので……(笑)


12:ありがとうございました。 もし良かったら五人くらいにパスしてはいただけませんでしょうか。

 ここまで読んでくださってありがとうございました~! そっと置いておくのでぜひ拾っていってくださいませ~( ´ ▽ ` )ノ
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